遺言状じゃ間に合わない
先日弟が訪ねて来た際、あれこれ話した中の、運用中の資産を引き継ぐ話。
資産はほとんど全部が不動産で、運用は法人でしているから、相続そのものはさほど心配がない。
ただ、ネットバンクのパスワードや資金運用の内容、口頭で伝えてあるとはいえ、親族からすれば他人になる個人的な縁者への遺言贈与のことなど、書き残しておかなければ後の禍になりかねない物事も多々ある。
弟と話す中で、
「3歳違いの準高齢者なんだから、あんたの遺言を俺宛にしてもらっても、俺が先かもしれないじゃないか」
と。
もっともだ。
この年になれば、オトコのほうが先の可能性が高くなる。
書いて封印してから5年くらい経つし、内容を改めなおして、宛先を弟とその子供たちに変えておくべきだろうとおもった。
その矢先。
今日、90歳を超える賃借人の借地権更新に関する資料と一緒に、これから売却予定の土地の件で、知人(売買仲介のプロ)が資料をもってきてくれた。
で、話のついでに遺言のことを話したら、
「遺言じゃ遅すぎるだろ、とにかく今後は、何であっても入院したらすぐに渡して、様子を見ながら生きてるうちに開封してもらわなきゃ、特に遺言贈与なんかあるんなら、全然間に合わないぞ」
と。
考えるまでもなく、全くその通り。
いまの終末医療は、死期についてかなり精度が高いから、知人の言う通り、書き残して実現してほしいことがあるなら、自分の息があるうちに開封してもらわなきゃ意味がないと思えた。
終活するなかで、ひとつづつ、これで良しとしてきたものでも、時間経過の中で変わっていくものもあるんだと知った。
物捨てしながら、遺言状も開いて、内容を取り捨て選択、整理しなきゃ。
サラリーマンしてた40~50代には、こんな老後になるとは想像してなかった。
生きてるといろんなことがあるもんだわ。